コンピュータ将棋選手権YSSの優勝で終了-遠ざかるプロレベルへの道
今年のコンピューター将棋選手権は,近年常に上位を占めていたYSSが見事6勝1敗という好成績で通算3度目の優勝を果たしました。ボナンザのこの一年間の活躍・特に渡辺竜王とそれなりの将棋を戦ったのをきっかけに盛り上がった大会でした。
打倒ボナンザという点で各ソフトウェア開発者の方々は日々尽力されたと思います。
各対戦がとても見ごたえのある内容でした。
しかし.....
あえて苦言を言わせていただければ,人間のプロ棋士のレベルにどのくらい接近したのかという点で考えますとほとんど進歩していないように感じました。
エキシビジョンでの、加藤幸男さんとの戦いが全てを物語っていました。加藤さんは序盤の定跡に明るい方ですが,コンピューター側の序盤感覚が全く進歩していないように思えます。加藤さんレベルのアマ強豪の面々はこの隙を見事についていきます。ましてやプロは... (加藤さんは超アマですから思考がプロレベルとも言えますが)
なんとなくこの踊り場状態はかなり長い間続くように感じます。
去年のボナンザのようなあっと言わせる刺激的なステップアップがもう一度や二度出現しない限りこの踊り場は脱することが出来ないのでは....
そのブレークスルーが一部の愛好家の個人的な努力で成し遂げられるものなのでしょうか?
一部の大学で行っているようですが.将棋に対するもっと本格的かつ体系的な分析が必要なのでは? と見ていて思いました。
ただ. この考えが杞憂で終わることを願っています。
来年もまた楽しみに観戦させていただきます。
第17回世界コンピューター将棋選手権結果
優勝:YSS(6勝1敗)
2位:棚瀬将棋(6勝1敗)
3位:激指(5勝2敗)…以上来期決勝リーグシード
4位:ボナンザ(5勝2敗)
5位:備後将棋(3勝4敗)
6位:TACOS(2勝5敗)
7位:K-Shogi(1勝6敗)
8位:竜の卵(0勝7敗)
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コメント
ご指摘の序盤感覚の拙さ、というのはストラテジカルな思考ができないというコンピュータの弱点に起因する部分が大きいと思いますので、必要とされるのは「将棋に対する分析」よりも、「知能・プログラムに関する分析」ではないでしょうか。
ただ、いずれにしろ、本格的な研究がなされていないという点についてはその通りだと思います。
投稿: nod | 2007年5月 6日 (日) 01時41分
nodさん
その通りだと思います。ビジョンや大局観と表現されている部分をどのようにプログラムに落とし込むか? が課題だと思います。
当然以前から指摘されている部分ですがその点がほとんど進化していないと思えます。
是非がんばっていただきたいですね。
投稿: rtf | 2007年5月 6日 (日) 09時28分