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名人戦・順位戦:  棋士の格かけた戦い


 長いこと朝日新聞を購読しているのですが,今年度になってから将棋名人戦が戻ってきてその挑戦者を争う順位戦の掲載が始まりました。将棋ファンとしては大変喜ばしいことで楽しみがぐーんと増えました。毎日新聞との間では,いざこざがあったのですがイザ掲載になると嬉しいものです。棋譜を見ているとやはり順位戦の将棋は一味違うなぁと実感しています。朝日・毎日の関係者が共催に踏み込んでくれたことに感謝したいですね。

  

そして7月3日の朝刊で,名人戦・順位戦特有の魅力を棋士代表の谷川浩司九段、ファン代表の梅田望夫氏に聞いた特集が掲載されました。さらに挑戦権を争うA級のメンバー10人には、名人への思いを語ってもらっていました。

 

全く奇遇なのですが,私はお二人の大ファンで著書もたくさん読んでいます。谷川さんの将棋は本当に見ていてワクワクします。勝敗は別として没頭して楽しめます。感性・感覚・スピード感の素晴らしい将棋です。この前朝日オープンの大盤解説でも軽妙な解説で聴衆の皆さんの心を惹きつけていました。

また梅田さんの「ウェブ進化論」「ウェブ人間論」とウェブと人間に関する一連の本を楽しく読ませていただきました。色々な意味で想像力をかきたてる最新のウェブ世界についての興味深い本でした。

  

  永世名人を取得し長年に渡りA級を保っている谷川さんのインタビューから抜粋します。

  

――名人位に特別な思いをお持ちですか。

「初代大橋宗桂以来の400年の歴史を思うと身が引き締まる思いがします。21歳で名人になった時は実力があるとは思っていなかったが、だからこそ取れた面もある。逆に20代後半から30代は、力がついてきたという気持ちになるほど挑戦から遠ざかった」

「他のタイトルは実力と勢いで取れる可能性があるが、名人位はC級2組から最低5年間、A級でも1年間を通した安定感と総合力が問われる。その意味で名人と順位戦は、棋士の格を決める棋戦といえますね」

 ――スピード化の時代にあって、順位戦は1日制持ち時間6時間です。

 「私が棋士になったころは6時間が多かったのですが、短縮化が進んで順位戦だけが残った。対局時間が長いので結果を急がないことが大切。形勢が良い時はあせらない、悪い時はあきらめないと、とりわけ強く自分に言い聞かせます。日付がかわったころの最後のミスで12時間半ぐらいの努力が無になることもありますから」

 「未明に形勢不明で、持ち時間もほとんど残っていないような時に、ふと、『自分は将棋の棋士なんだな』と充実した気持ちになる。厳しいですが、なくなると気持ちの張りがなくなる気もする」

  

 梅田さんは一ファンの立場から将棋の魅力を語っています。

 

 ――観賞の楽しみとは何でしょう。

 「人間同士が作り出す一局の将棋にはそれぞれストーリーがあり、均衡の美がある。1手指すごとに均衡が崩れそうになりながら、美しい可能性空間が最後まで続くのが素晴らしい」

 ――強さだけなら、コンピューターが人間を上回る日が来そうです。

 「コンピューターはある局面での最善手をその場その場で探すが、一貫したストーリーは感じられない。人間同士の戦いの魅力は色あせない」

 

まさにその通りですね。今年の戦いが一層楽しみになってきました。

  

このページは xfy Blog Editor を利用して作成されました。

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