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「白痴」 by フョードル・ドストエフスキー


 久しぶりに古典文学作品を読み終えました。
善良な人間の主人公ムイシュキン公爵は知能が著しく劣っているため、汚れたよこしまな人間のなかにあって、やがてその善良さゆえにその姿を失っていく……。ロシアの文豪・ドストエフスキーの原作です。 

色々な登場人物とその間で交わさせる会話がとても長くそして濃厚なのが印象的でした。

その中でも、将軍の秘書ガーニャが結婚を望んでいる謎めいた美女ナターシャはこの小説の中心人物でこの小説に妖しげな色を落としていきます。彼女には身持ちが悪いとの悪評がついて回っていましたが、実はロゴージンも含め多くの男たちから求婚される魅力的な女でもありました。 ムイシュキンも彼女と会って自分と共通する部分を感じ(彼女は幼少から男たちのなぐさめ者にされてきた経歴がありそのため歪んだ性格の女となった)、ついに自らも求婚するのです。

そのうちに将軍の娘アグラーヤもムイシュキンに思いを寄せる。この二人の女性が、ムイシュキン公爵との間でさまざまないざこざを起こしていきます。嫉妬、信心、善悪というのが大きなテーマでした。

詳しいあらすじは、ここでは記しませんが、ドラマとしても楽しめますが何といっても多彩な会話の内容が印象的でした。

たとえば、絞首刑にかけられる罪人の最後の数分間の心情の流れ..というような多岐に渡る会話が交わされていきます。当時のロシア人は話好きなのかそれともドフトエフスキー独特の語り口なのかわかりませんが、論破するような会話が延々と続く場面もあります。

 残念なのが、米川 正夫(よねかわ まさお)さんの訳が現代の言葉遣いと大分異なってしまっているので、読みにくい部分もありました。 この辺あの亀山郁夫さんが目をつけたところで、新たに現代文章で翻訳をすることで(カラマーゾフの兄弟)原書の、ドラマチックな小説に新たに息吹を与えていると思います。

白痴(上)改版
白痴(下)改版

ところで、この本を読んでいる最中に亀山郁夫さんがテレビでこの「白痴」について小説の位置づけ・モチーフの解説をしていました。とても参考になりますので、ご参考までに。

 

過去にいくつも映画化されているんですね。玉三郎&”ポーランドの巨匠”アンジェイ・ワイダ!”、"黒澤明と三船敏郎"など、すごいですね。

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