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「世界を変えた6つの飲み物」--飲物が語るもうひとつの歴史

世界を変えた6つの飲み物」は、 大変興味深い内容でした。ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、紅茶、コカ・コーラといった今広く行き渡っている飲物が歴史の中で必然的に発見?されたり発明されてきたのですが、逆にもし、これらの飲み物がなかったら、エジプトのピラミッドも、ギリシア 哲学も、アメリカの独立も、フランスの市民革命、イギリスの産業革命・金融革命も形を変えていたかもしれないとも言えると著者は語っています。

約700万年前、人類として狩猟をはじめてきた生活が紀元前一万年ころの最後の氷河期の終わりに、野生の穀物の群生に沿って定住生活を始めるのです。そしてこの長い歴史の中では突然のように農耕をはじめそして200-300人の共同体が形作られていきます。場所は肥沃三日月地帯(現在のエジプトからイランイラク、トルコの一帯)ですね。

そして穀物を貯蔵することになり偶然発見したのが、ビール。穀物が水に浸かり発芽しジアスターゼという酵素による甘みが出ることを発見します。さらに穀物の薄いかゆ、特に大麦麦芽を数日間置いておくと軽い発泡性の液体に変化し飲む者を軽く気持ちよくさせることに気づきます。大気中の酵母によって液体に含まれる糖がアルコールに変化したのです。この発見がビールだったというのです。

この大発見のあと、人類の美味への探求心がどうやったらもっと美味しい味になるかの工夫が始まり質の向上に努めていったのです。

のちの時代のエジプトの記録には、17種類ものビールの記述があり、今のようなキャッチフレーズ、「美と善」、「無上」、「食事の伴」といった名前が付けられていたとか。

またメソポタミアの醸造職人たちは、バッピアと呼ばれるビール・パンの量を変えることで味と色を変えることが出来ることも発見。調整の技術を見つけていったのでした。

ビール以外のワインやコーヒーなども歴史に彩られた飲物で、大変興味深くまた勉強になりました。

ささやかな飲み物が、人類を駆り立て、歴史 をつねに動かしてきた、その原動力となったことに驚きを隠せない一冊でした。


プロローグ 生命の液体                    

 第1部 ●メソポタミアとエジプトのビール
  第1章 石器時代の醸造物
  第2章 文明化されたビール

 第2部   ●ギリシアとローマのワイン
  第3章 ワインの喜び
  第4章 帝国のブドウの木 

 第3部   ●植民地時代の蒸留酒
  第5章 蒸留酒と公海
  第6章  アメリカを建国した飲み物

  第4部   ●理性の時代のコーヒー 
    第6章 覚醒をもたらす、素晴らしき飲み物
   第7章 コーヒーハウス・インターネット

第5部 ●茶と大英帝国                        
 第9章 茶の帝国
 第10章  茶の力

第6部 ●コカ・コーラとアメリカの台頭                
 第11章 ソーダからコーラへ
 第12章 瓶によるグローバル化 
 
     エピローグ 原点回帰             
   付録・古代の飲み物を探して 

スタンデージ,トム(Standage,Tom)
歴史家。『エコノミスト』誌のエディター。『ガーディアン』『デイリーテレグラフ』『ワイアード』など、多くの新聞・雑誌にも寄稿。ロンドン近郊の街、グリニッジに在住

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受信: 2009年8月 5日 (水) 11時52分

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