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執念の逆転勝ち羽生二勝目、第66期名人戦七番勝負第3局

さきほど、NHK-BSの将棋速報で羽生挑戦者の逆転勝ちを知りました。会社でちらちら確認していた時は、名人の優勢となっていたので驚きました。

とりあえず、棋譜だけ掲載。明日自分なりに並べて感想を述べていきたいと思っています。

[5/10追記]

棋泉に棋譜を入力し大雑把に流れを見ていきました。中盤以降プロの先生たちの形勢判断は、先手の森内が大きく優勢とのことでしたが、ほとんどのアマチュアから見たら優位にたったとしても、勝ちきることは到底読みきれず勝負はまだまだこれからという感じでした。しかしさすがに、109手目▲4六桂で羽生の飛車を5一に抑え込んだあたりではかなり形勢は傾いたと素人目にも思われました。

その後、金単騎で玉頭から攻め込み角と差し違え、相手の王を薄くしたうえ自玉も入玉の選択肢も可能な形にして、森内名人の優勢が拡大したと思った瞬間の羽生の122手目△4二角が、7五歩打ちを強要しそれにより森内の入玉の進路を狭めると同時に7七飛車の成りこみを防ぐ好手でした。

それ以降、羽生の指す手の方が価値の高い手が続き、じりじりとかつ丁寧に形勢を戻していったのが印象的でした。そして最終盤▲9八銀△8六桂と、空き王手+銀取りというマスコミが言う「100年に一度の大逆転」となりました。(渡辺竜王は1001年に一度とは言い過ぎとコメント)

それと、記憶されている方もいると思いますが、昨年の郷田真隆九段との名人戦でも森内名人は逆転負けを喫しています。ただ、そこで引きずらないのが非凡な才能で七番勝負を制しました。

Tky200805090280_2 

この相掛りの将棋では、100手未満で勝負が決着することが大半だと思いますが、この164手にも及ぶねじりあいは、双方とも守りに入らずに前向きな戦いに終始しながらの長手数だったため、大変見ごたえのあるものでした。

また序盤で、森内名人が端歩を付き越しさらに▲4五銀という離れ駒にしながら流れを変える新手を見せ、波乱を予感させました。このあたりに森内名人の自己主張が現れそして羽生挑戦者も闘志・ライバル心をいっそう掻き立てられたように思えます。

七番勝負、羽生が一歩リードしましたが、このライバル対決、いやぁまだまだ闘志と闘志のぶつかりあう大熱戦が続きそうです。

 

 

開始日時:2008/05/08 9:00
棋戦:第66期名人戦七番勝負第3局
持ち時間:9時間
場所:JALリゾートシーホークホテル福岡
先手:森内俊之名人
後手:羽生善治二冠

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛 △3四歩 ▲3八銀 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛
▲8七歩 △8四飛 ▲2七銀 △4一玉 ▲7六歩 △6二銀 ▲1六歩 △5二金
1五歩 △9四歩 ▲9六歩 △7四歩 ▲3六銀 △7三桂 ▲4五銀 △7五歩
▲同 歩 △3五歩 ▲5六銀 △5四歩 ▲6六歩 △5三銀 ▲6七銀 △5五角
▲2六飛 △4二銀上 ▲5八金 △3一玉 ▲6八玉 △4四角 ▲8六歩 △5五歩
▲8五歩 △5四飛 ▲7六銀 △3三銀 ▲6七金左 △3四銀 ▲2八飛 △3三角
▲7七桂 △4二銀 ▲7八玉 △4四飛 ▲8七玉 △4五銀 ▲9七角 △3六歩
▲同 歩 △5六歩 ▲同 歩 △3六銀 ▲7四歩 △同 飛 ▲3七歩 △4五銀
▲4六歩 △同 銀 ▲4七歩 △3五銀 ▲7五銀 △3四飛 ▲7四歩 △7二歩
▲5七金上 △2四角 ▲2五歩 △3三角 ▲7八飛 △2二玉 ▲7三歩成 △同歩
▲6五桂 △6二金 ▲8四銀 △7四歩 ▲7三銀成 △8六歩 ▲同 角 △7三金
▲同桂成 △8四歩 ▲4五金 △8五歩 ▲9七角 △6四飛 ▲7四成桂 △4四銀
▲3四金 △7七歩 ▲同 飛 △5四飛 ▲4六桂5一飛 ▲2四歩 △4五銀
▲2三歩成 △同 金 ▲3三金 △同 銀 ▲8四成桂 △8六銀 ▲同 角 △同歩
▲同 玉 △4二角 ▲7五歩 △4六銀 ▲同 金 △5四飛 ▲6二角 △8三歩
▲同成桂 △7四桂 ▲8五玉 △8二歩 ▲同成桂 △8六金 ▲8四玉 △7七金
▲同 金 △8九飛 ▲8八銀打 △7八歩 ▲9八銀8六桂 ▲8三玉 △9八桂成
▲7八金 △6九銀 ▲8七金 △8八成桂 ▲同 銀 △7八銀不成 ▲7六金 △8八飛成
▲8六歩 △6七銀不成 ▲8五金 △7六銀不成 ▲7四金 △8六龍 ▲8四歩 △6一銀
▲7一角成 △7四飛 ▲同 歩 △9三金
まで164手で後手の勝ち

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将棋」カテゴリの記事

コメント

彼らのレベルでも執念が通用するのですね。羽生の執念だから、迫力が違いますか。指し手そのものには興味がないですが、対局室の空気は、さぞ至福の空間でしょうね。やはり羽生の言い表しがたい迫力を間近で見れたら…

投稿: ケトルシステム | 2008年5月10日 (土) 05時59分

ケトルシステムさん、

羽生や渡辺を見ていると、アマチュアの延長というか、とにかく将棋が好きで"のめりこんで"対局という勝負に挑んでいるという感じがします。
一度彦根市で行われた羽生vs佐藤戦の公開対局を見に行ったことがありました。40畳の大広間対局、仕事があったので到着した時にはすでに感想戦に入っていたのですが、対局室での羽生は、弱弱しい青年といった感じでした。勝負が決していたからだと思いますが、対局中のカメラに収まる彼の執念のこもった表情は周囲を圧倒します。あのギャップはすごいですね。

投稿: rtf | 2008年5月10日 (土) 11時38分

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