羽生の再七冠の野望を打破、深浦王位が名局で七番勝負制する
深浦王位自身の名局だった。雌雄を決する七番勝負の最終局、先手となった羽生の意向でアマチュアには難解な二手損の角替りの定跡型の戦いとなりました。

37手目▲56歩と角取りに歩を伸ばしました。以下△44角▲36歩△35歩(▲35銀を消す)▲同歩△45銀という手順が考えられていましたが、後手はずばり△37角成りと切っていきました。その後、角を犠牲にして作ったと金を活かせるかどうかがこの勝負の分かれ目になって行きました。
この後の中盤は、まさに両者の持ち味が活かされた一進一退の見せ場が続きました。控え室では副立会人の堀口弘治七段、鈴木大介八段・瀬川晶司四段他が、さまざまな変化を検討していたようですが、なかなか当たらなかったようです。
そして印象的だったのがこの83手目の場面。
深浦の名局と言われる一手がここで捻り出されます。なんと「△57と」と虎の子と思われたと金をただ捨てる盲点の奇手。王で取らせて△78飛車と打った手が詰よとなり一気に先手王の退路を断ちました。森下卓九段と同じく花村元司師匠に学んだが、その師匠の妖怪的な差し回しが乗移ったかのようにこの勝負を決める場面でひねりだされたのでした。羽生は深浦の王を詰ましにいきますが、惜しくも詰まず後手の勝利となりました。
羽生名人の再度の七冠の野望(と言っても本人が言っているわけではなく周りの人たちが期待しているだけですが...)を打ち砕きました。
さぁ次は、渡辺竜王と羽生名人の戦い。この深浦王位のタイトル防衛で一層注目される対戦となってきました。
このNHK-BSでの兄弟子森下卓の解説と深浦と同郷出身の女流アマチュア女王の笠井友貴さんの局後のインタビューも彼の勝利に花を添えました。
深浦が初防衛-。神奈川県箱根町で行われた将棋の王位戦七番勝負(北海道新聞社主催)の最終局、第七局は二十六日、深浦康市王位(36)が羽生善治名人(38)=棋聖、王座、王将=の激しい攻めを受けきり、タイトルを死守した。深浦は第五、六局と連敗したが、第七局は落ち着いた指し回しを見せた。
朝から厳しい攻め合いになった二日目は、後手陣内に手がかりをつくろうとした羽生の5二歩(63手目)に対し、深浦は4二玉(64手目)と柔軟に応じる展開。羽生は2三桂不成(67手目)に続き、3一角(69手目)から後手玉に総攻撃をかけたが、深浦は4一玉(78手目)など冷静に対応した。
その後も羽生は二枚桂で玉を追い、5一馬(89手目)、7三馬(99手目)と迫ったものの、深浦がきわどくかわして詰まず、投了に追い込まれた。
羽生にとっても五冠目がかかる大一番。不利な局面からも「これが羽生マジックか」と相手を幻惑する手を次々と繰り出す執念で最後まで怖さを見せつけたが、及ばなかった。

記録係の伊藤和夫二段の書いた棋譜

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コメント
野望は"打破"するものでなく"阻止"するものでは。。。
投稿: 通りがかり | 2008年9月28日 (日) 21時36分