« NHK杯将棋、森内俊之九段 vs 糸谷哲郎五段 | トップページ | ロン・カーター/ジャズ&ボッサ 、70歳を越えてさらに若々しく »

[二日目] 王将戦七番勝負第1局、羽生vs深浦。激しい戦い堪能しました!

090117_79二日目封じ手の△3三同金は当たったものの先手深浦の指し手は、なんと▲7二角。あっさりと▲谷川-△渡辺戦から変化しました。
しかしこの▲7二角、控え室では「えっ?角打ったの?すごい手だね。1秒も考えなかった。羽生さんもあまり考えていなかったのではないか」と皆驚いたようです。「▲8二歩△同飛▲8三歩のような手を考えても▲7二角△8二飛▲6一角成と1手緩めるのは気が付かない」(阿部八段)。
 後手の羽生さんは▲6一角成の後、当然のように攻めかかります。受けに回った深浦さん。この受けも金銀を引く独特の感覚。そして羽生は29分の長考で△2四歩と伸ばしたところで先手は▲4二歩。
ここで図の昼食休憩に入りました。
対局再開後の一着は△3六歩。それを見て深浦が長考に沈みます。どんな変化を考えているのでしょうか?
   
難しい場面なので真剣に考えても無理。ビールを飲みながら考えていますが、▲3六同飛、△2七角、▲3三飛成り、△同桂、▲3四歩、△4九角成り(△2八飛は▲3九金)、▲3三歩成り、△同銀、▲4五桂という変化はどっちが優勢なんでしょうね?⇒△2八飛で一手負けかなぁ? ▲6九金△7八歩成り、▲同王、△5八角成りが詰めよみたいですね。

うーん、歩を取る変化は詰めまで読まないと指せないかも。なので取らない変化を中心に深浦さんは全ての変化を読んでいるような気がしますね。



090117_83本譜は、▲3四歩、△3二金、▲2三歩、△3五銀、▲5一馬となって、図の場面。ここで午後のおやつの時間に入ったようです。羽生は2三歩か4二歩を取り払うことになるのですが、どちらでしょうか?

こっちも、コーヒー(ブラジル;カンタガロ農園)でも入れようと思います。形勢は、どちらが優勢なのでしょうね?

羽生さんの着手は△2三金でした。大盤解説の検討では△4二金に(1)▲4三歩△同金▲4五桂△同銀▲4四歩△7六桂(2)▲3三歩成△同金▲4五桂△同銀▲同銀△2六銀のいずれも後手がいけそうな雰囲気だったようです。
そして▲2九飛ですか、なかなか一筋縄ではいきませんね。 
090117_8888手目△3七歩成の局面。後手が指せる局面と言われています。
深浦王位は図から▲4一馬△2二玉▲7四馬と控え室の予想どおり金を取りました。これでは後手が優勢とされていたのですが、どうなんでしょうか?この局面で17時。
△3四金が有力。それ以外に△4六桂も厳しいですか。先手の馬が遠ざかり、後手の玉は上部脱出のきっかけをつかんでいます。金桂交換で後手は駒損ですが、トータルで見れば得しているといえるとの解説。後手は遊び駒がなく羽生が優勢と言われていますが、アマチュアから見ましたらまだまだこれからの将棋です。阿部八段は△4六歩~△4七歩成が有力と言う解説ですが、それには左右されずに自分なりに考えて見ましょう。
例えば、△3四金だったら、▲6四角なんかも飛車とりと金取りでいやらしいと思いますけどね。090117_91


で本譜は、△4六歩▲6七王ですか,,上部脱出を見せる粘り強い差し回しが深浦の持ち味です。いやぁ見せますね。
そしてと金で5六の銀と交換(99手目)して、羽生さんが駒得になりました。そして7七の歩を成り捨てて、七筋に歩が使えるようにしたのが、さすがの構想ですね。 すかさず7五の王と馬の中間に打ち据えます。どちらで取らせても戦いの足場を築けると言うことですか。

090117_99
残り時間は深浦37分、羽生47分。羽生さんの包囲網が絞られてきます。後手陣に手がかりがありませんから先手が勝つには、受けつぶすしかないのかなぁ。ちょっと厳しい感じですが、このような圧されている場面でも苦にしないのが深浦将棋。長引くとどうなるか分かりませんよ。
090117_106▲7五同馬から△4八ととなった106手目の局面。ここから▲6四馬△8一飛、▲7九飛、△5六馬、▲6七金左と動いていきます。
ただ、入王は△7四歩で抑えられて絶望的。王は8六に戻されてしまいました。(115手目)もう絶体絶命なのでしょうか?
大盤解説会では△7七桂成(空き王手)▲8二歩△6七成桂▲8一歩成△6八成桂▲7四飛△6三銀打の変化を調べているようです。羽生は残り10分を切ったようだ。深浦は扇子であおぐ。羽生さんがすぐに指さないということは、まだ難しいのでしょうか?
かなり考えて羽生さんは、△7七桂成(空き王手)▲8二歩△同飛!!大盤解説会から「おおっ!」と声が上がったようです。8二に馬を行かせることで、馬が受けに働かなくなると見ているのでしょうか。「すごい手順ですね」と阿部八段の談話。

▲8二同馬△6七成桂は後手が勝ちのようだ。歩を補充したことで、▲4一歩成~▲7二飛に△3二歩や△1三玉▲1五香△1四歩の用意がある。そこで、有吉九段は▲8三歩△同飛▲8四歩△同飛▲8五歩と連打する順を示している。
△8二同飛に▲7七玉は△8八銀▲7六玉△7四歩を佐藤棋王が指摘。▲同玉に△6三桂と打ちかえて、▲7六玉△7五歩で7九飛を取れる。

ということでしたが、深浦さんの指し手は▲8二同馬。控え室では、△6七成桂で後手が勝ちとの結論でしたが....
実戦は、△8四金、▲6四馬。さぁどっちが読み勝っているのでしょうか?△8五銀、▲9七王。押さえ込まれていますが、馬が受けにも効いていますし、5三に入ると詰めろです。
△9五歩。これが△9六歩▲8八玉△6六馬に▲7七桂と8九に穴を開け△7六桂▲8九王となると、なんとまた打ち歩詰めの筋に入ります!
詰めよではないことから、先手待望の▲8二飛と攻撃に入り、△3二歩。そして鈴木環那女流初段が「▲5三馬としたらどうなるのですか」といったのとほとんど同時に深浦は▲5三馬と入ったのです。
△9六歩から後手は王手で攻め、馬を6六に移動させたのが受けに効きました!
そして△9七歩成り。大熱戦でしたが、攻防に6六の馬が最後に決め手となって後手が勝ちとなりました。
140手の見ごたえのある戦いでした。
いやぁ、感想戦を是非聞いてみたいですね。封じ手後の7二角の変化がどうだったのか、大変興味深いです。
このシリーズ、ファンにとっては目が離せないですね。

いやぁ堪能しました。


[参考] ●相懸り基本戦法
●フィードバック方式 定跡次の一手

|

« NHK杯将棋、森内俊之九段 vs 糸谷哲郎五段 | トップページ | ロン・カーター/ジャズ&ボッサ 、70歳を越えてさらに若々しく »

将棋」カテゴリの記事

コメント

初めまして。雪うさぎと申します。

先日、「石田和雄」で検索してみると、rtf さんのブログが出たので、それ以来楽しませていただいています。

読んでみると、かなり深く、濃い内容のブログでびっくりしています。しかもかなりていねいに棋譜画面や映像なども盛り込まれていて、感心しています。

将棋に関しては、このブログに書かれていること、ほとんどが私の興味と一致しており、楽しませてもらっています。

rtf さんの腕前は二段ほどなのですか。私はまだまだそれより弱いですが、今度ぜひ将棋倶楽部24ででもフリーで教えて欲しいものです。

ところで、上記のような棋譜画面ってありますよね。
これってどうやって作って貼り付けるのですか。よろしければ教えてください。

将棋倶楽部24では、私はいつも持ち時間30分、切れたら一手1分で指しているのですが、それでも全然足りないくらいで、1度でもいいから持ち時間2~3時間で指してみたいなといつも思っています・・・・、が、現実の道場でもWebサイトでも、そんな長い時間で指せるところ、あるいは指している人ってアマチュアでは誰もいませんよね。
それがとても残念です。

アマチュアでも1日~2日かけて指す将棋というのもあっていいと思うんですけどね・・・。

それから、私はソフト同士の対決というのも楽しみのひとつなのですが、rtf さんは何か将棋ソフトをお持ちでしょうか。よろしければ今度24などで対決させませんか。
そういうソフト対決って、見ているだけでも 「なるほどなー」 と思うし、人間がやる短い時間の将棋よりも良い棋譜が残ったりするものです。

序盤は自分の好きなように駒組みして、中盤、好きなところから、「ここからコンピュータはどう指すのか・・・」と、ソフトに指させてみるのも一興です。

・・・もちろん24ではやってませんがね(笑)

それでは今後も内容の濃いブログを楽しみにしています。


投稿: 雪うさぎ | 2009年1月21日 (水) 15時16分

雪うさぎさん

はじめまして。いつもご訪問いただいているようで、ありがとうございます。

この将棋に関しては、土日に行われていましたのでリアルタイムに観戦しながら、思いついたことをそのまま書いてしまいましたので、読みにくいところが所々にあったと思います。ただ、そのままにしたほうが臨場感があるかと思い放置させていただいていました。

内容の濃いブログと言っていただくと、なんとなく気恥ずかしいですね。まぁ、思いついたままにこれからも書いていきますのでお付き合いいただけたらうれしいです。

棋譜画面ですが、今回は中継のブログからそのままコピペさせていただきました^^
いつもは「棋泉」という将棋の棋譜管理の無料ソフトの中に、棋譜画面を作成する機能がありますので、それを利用しています。
棋泉は、ググルとすぐに見つかりますので無料ダウンロードできますので、お試し下さい。

将棋倶楽部24は、あまり利用したことがないのですが、かなり以前にはYahoo将棋を利用していましたが、最近はネット将棋はしていないですね。

最近は、将棋ソフトのボナンザと対局して楽しんでいます。
勝つのはかなり難しいので、前に戻ったりして勝つまで頑張ったりしています。

私としては、是非道場で将棋を指すことをお勧めします。確かに長考は嫌がられますが、対面して将棋をするのは、やはり緊張感が違いますからスリリングです。

雪うさぎさんも道場に時々行かれているようですが、どこの道場でしょうか? そこで合えたりして...

また良かったらコメント残してくださいね。

投稿: rtf | 2009年1月21日 (水) 20時36分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/196957/43775696

この記事へのトラックバック一覧です: [二日目] 王将戦七番勝負第1局、羽生vs深浦。激しい戦い堪能しました!:

« NHK杯将棋、森内俊之九段 vs 糸谷哲郎五段 | トップページ | ロン・カーター/ジャズ&ボッサ 、70歳を越えてさらに若々しく »