NHK杯将棋 森内俊之 vs 渡辺明、野に下った森内の絶品の強さ光る
NHK杯準々決勝、やはり残ったのは第一線を張る強豪の面々。森内対渡辺というファン待望の一戦。解説は高橋道雄九段、久々にお顔を拝見しましたが、彼の解説は丁寧で分かりやすく好きな解説者の一人です。
森内は、去年名人位を手放しましたがrtfとしては、彼は名人位を離れたほうが彼本来の強さが発揮できるのではないかと感じていました。年間を通じてA級順位戦の厳しい戦いをこなしていったほうが、勝負のリズムがつくように思えたからです。
少なくともこのNHK杯では、相手に本来の力を発揮させない強い森内を見せつけています。中座真、そして糸谷哲郎五段と売り出し中の棋士を粉砕してきました。今日の渡辺戦は、その底力を見せ付けるかどうか大変注目していました。
一方の渡辺明竜王ですが、竜王戦以外でもかなりの棋戦で上位に残っています。残念ながら先日の朝日オープンでは、準決勝では敗退しましたが、このNHK杯では優勝の期待が残っています。
否が応でも注目の一戦、先手の森内はなんと居玉のままでの急戦矢倉で先攻します。桂馬取りから飛車の素抜きを見せられた渡辺は、持ち時間を五分も使う長考のすえ5五歩と突き捨てます。その後飛車を五筋に振って中央の勢力争い、先手王は居玉のままで、頭の上で大戦闘が始まった状態になりました。
その忙しいときに、▲2四歩と突いたのが、解説の高橋九段をうならせた素晴らしい一手。中央で駒を取り合った後に角が飛び出す余地を残したのでした。
さらに一旦飛び出した角を5七と予想外の地点に引いたのも秀逸。渡辺も開き王手の筋で迫りますが、森内の終盤のスピード感覚は正確でした。
79手という短手数でしたが、見ごたえのある一戦でした。しかし森内は強い。次の羽生名人との戦いがまたまた楽しみですね。渡辺竜王は残念ながら敗退、森内の思わぬ急戦の戦略に敗れたと思います。
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