[一部追記] NHK杯将棋・決勝 森内俊之 vs 羽生善治、鬼手△9四歩が制する
やはり、この二人の決勝戦、そして解説が渡辺明竜王、なんとも将棋ファン注目の一戦となりました。
対局前のインタビュー、森内九段は、このトーナメントで印象に残る対戦を渡辺竜王との戦いと答えていました。
また一方の羽生名人は、飯島栄治六段との対戦をあげていました。
しかしこの二人、小学校時代からのライバルでもあり、持ち時間の短い将棋も数多く指していて強く、印象に残るといっても危なげの無い結末で終わっていたように思えます。
この決勝戦、オーソドックスな戦いにはならないのではと思っていましたが、その予想通り二人には珍しい相振り飛車になりました。
後手の名人は、少し変わった囲いから先攻しますが、先手の森内は力強い受け、二人の個性がそのまま発揮される戦いで中盤は推移します。
そのなかで森内の▲3三角から▲2四歩と押さえ込んだのが見事な防御、羽生名人の攻めもストップし先手が優勢になりました。
しかしさすがの羽生名人、二枚の角で斜めの攻めを形成、難しいながらもきわどく接近戦にもちこみます。
成桂を相手王に摺り寄せ、△4六銀から森内の王を裸にして寄せにいった場面では、素人目には、羽生の逆転勝ちかと思いましたが、森内の守りはここでも素晴らしくきわどく一枚残します。
王は受けが無いながら詰めよで迫れば勝ちという場面で森内は▲5二金から寄せに入りますが、そこで△9四歩と突いたのが、羽生のあみ出した鬼手。こんな決勝戦の最終盤で勝利を呼び込む大逆転の一手が指され、羽生の勝ちとなりました。
この二人は、もうすぐ百局近い対戦でいずれも大熱戦で見ごたえがありますが、このNHK杯の決勝での素晴らしい戦いはファンにとって記憶に残るものとなりました。
●森内 vs 羽生 決勝戦ビデオクリップ
●棋譜は、こちら(したらば掲示板限定シリーズ三部作雑記)
●この将棋の詳細解説は、こちら(初手7六歩)
[追伸] 渡辺明竜王のブログで、解説の訂正がありました。△9四歩に対しても詰めがあったようです。以下引用します。
「羽生名人の△9四歩が妙手で逆転勝ち」という締め方をしましたが、これは誤りだったことが感想戦で判明。△9四歩には▲6二金△同玉▲6一金から、後手玉に詰みがあったのです。詳しくはNHKテキスト、専門誌をご覧下さい。
よって「△9四歩が素晴らしい頑張りで、逆転に結び付いた」が正しかったです。
ということで考えてみました。
▲6二金△同玉▲6一金(△同玉は▲6三龍△6二金▲2一飛成△5一歩▲7二金まで)△7二玉▲5二龍△6二桂▲同金△8二王▲7三角成(△同玉は▲6三龍△8四王▲7五銀△同歩▲7四金△9三王▲8三龍まで)△同桂▲7二金△9三王▲8二銀△8四王▲7三銀不成△9三王▲8四金△同歩▲8二銀不成△9二王▲9一銀成△9三玉▲9二成銀△同玉▲8二金△9三玉▲9二金△8三王▲8二龍まで29手詰み。
手数は長いですが、割と明快な詰み手順ですね。トッププロ三人でも秒読みだと読み切るのは難しいのですね。(△9四歩を指した名人は、知っていたかもしれませんが...)
このあたり、ボナンザ・激指・棚瀬将棋(他の有力将棋ソフトも)でしたら100%読みきってしまうでしょうね。怖いですね。
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コメント
こんばんは。tomo-kaiと申します。
△9四歩は凄かったですね。
▲6二金△同玉▲6一金ではなくて
▲6二金に△8二玉だとどうなるのでしょう?
投稿: tomo-kai | 2009年3月23日 (月) 21時19分
▲6二金に△8二玉だと、即詰みは無いです(と思います)が、後手は金を持ち駒にできないため、先手の王はまだ詰まないですから、▲6三金と歩を取って詰めよをかけ、次に▲7三金から殺到して勝ちだと思います。
具体的には、▲6二金△8二玉▲6三金(詰めよ)△3七角成(▲同角なら△7七成銀からの頓死)▲7三金△同桂▲同龍△9三王▲8四金△9二王▲8二龍まで
でしょうか。
なお▲6二金に△8二玉で本当に詰めが無いか(▲7三角成からの変化)、興味深いのでもう少し調べて見ます。
投稿: rtf | 2009年3月23日 (月) 23時59分
示した詰め手順ですが、もう少し短い詰め手順がありました。
▲6二金△同玉▲6一金△7二玉▲5二龍△6二桂▲同金△8二王▲7三角成△同桂に、▲7二金ではなく▲6三金とする変化のほうが短手数だと思います。
投稿: rtf | 2009年3月24日 (火) 01時00分