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第67期名人戦第1局、158手の見ごたえある熱戦羽生名人が制する

 郷田の発言の通り、今シリーズは本格的な棋理を探る戦いになりそうです。たとえて言うなら、中原誠名人と米長邦雄挑戦者の名人戦の再来、ほとんど矢倉が中心の戦いになるのではないでしょうか?
将棋の純文学と言われるものの、緻密な流れから一気に堰を切ったような激しい流れになることもあり、またその流れがせき止められ泥仕合になることもある矢倉戦法。一歩間違えば、入王というクリンチ合戦にもなり、その変化は千変万化、対局者同士の個性が色濃く盤面に映し出されます。

この第一局ですが、お互い自陣の位にこだわります。その一番の狙いは相手の桂馬をさばかせないこと、その狙い通り両者の右桂の動きは消され、相手の駒台に載るだけで終わります。

Tky200904100241

活躍が目立ったのは、角。先手の金が6六に位置し角の打ち込まれる隙が多いため。先手が角の交換に応じることは無いと思っていたのですが、郷田はあっさり交換に応じます。そして後手陣の手薄な9筋から攻める▲9五歩には、驚きました。指されてみるとなるほどと思いますが、自王の端は急所、ただし勢力の偏ったところに注目して攻めきれると判断したのでしょう。
対する羽生も、△3八歩以下細かい攻めで、先手の飛車と銀を角でいじめます。93手目先手の銀が1六に追いやられた形になったときは、先手が不利になったのではないかと感じましたが、飛車を五筋に展開し位を張ったところでは、素人目には優劣不明に思えます。
その後、両者飛車取りに迫られた時の後手羽生の△6一歩が、驚かされる一手でした。それを拠点として、あえて飛車を取らせさらに△7一香と逆襲の足がかりともなっています。
この後の△7二歩も、羽生マジックとも言える味わい深い手で、終盤に羽生名人の手が冴え渡っていました。
きわどい一手違いでしたが、羽生名人が押し切り初戦を制しました。
渡辺明竜王は、「はっきりとした敗因が分からない難解な終盤戦だった」と感想を述べていますが、そのとおりのすばらしい戦いでした。
次の対戦も楽しみです。

Tky200904100322

----棋譜---

開始日時:2009/04/09 10:00
棋戦:第67期名人戦第1局
戦型:相矢倉
持ち時間:9時間
場所:東京都文京区・椿山荘
先手:郷田真隆九段
後手:羽生善治名人

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀 ▲5六歩 △5四歩
▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右 △3二金 ▲7八金 △4一玉 ▲6九玉 △5二金
▲7七銀 △3三銀 ▲7九角 △3一角 ▲3六歩 △4四歩 ▲3五歩 △同 歩
▲同 角 △5三銀 ▲6八角 △4五歩 ▲3七銀 △4四銀右 ▲7九玉 △4三金右
▲4八飛 △3四銀 ▲3六歩

(封じ手) △5三角 ▲6七金右 △3一玉 ▲8八玉 △2二玉
▲4六歩 △9四歩 ▲9六歩 △9三香 ▲6五歩 △4六歩 ▲同 銀 △4五歩
▲3七銀 △6四歩 ▲同 歩 △同 角 ▲6六金 △6二飛 ▲6五歩 △4二角
▲7五歩 △2四角 ▲同 角 △同 歩 ▲9五歩 △同 歩 ▲9四歩 △同 香
▲8三角 △3八歩 ▲同 飛 △4六歩 ▲同 銀 △4七角 ▲2八飛 △3六角成
▲3七銀 △4七馬 ▲3六歩 △3五歩 ▲同 歩 △2三銀 ▲9四角成 △3六歩
▲2六銀 △4六馬 ▲1八飛 △2五歩 ▲4七歩 △5七馬 ▲2五銀 △3五銀
▲5五歩 △3九馬 ▲5四歩 △2四歩 ▲1六銀 △2九馬 ▲5八飛 △5二歩
▲7四歩 △1九馬 ▲4六香 △4四歩 ▲7三歩成 △同 桂 ▲8四馬 △3七歩成
▲7三馬 △4七と ▲5九飛 △3七馬 ▲3九飛 △6一歩 ▲3七飛 △同 と
▲5五桂 △7一香 ▲6二馬 △7七香成 ▲同 桂 △6二歩 ▲4三桂成 △同 金
▲7三飛 △3四角 ▲4五歩 △4六銀 ▲6四角 △4九飛 ▲7一飛成 △4二桂
▲3一金 △3二銀打 ▲同 金 △同 銀 ▲3一銀 △3三玉 ▲5六金 △7二歩
▲4六金 △7六桂 ▲9八玉 △9六香 ▲9七歩 △6九飛成 ▲4二角成 △同 金
▲同銀不成 △同 玉 ▲4三香 △同 玉 ▲3五桂 △4二玉 ▲4三銀 △同 銀
▲同桂成 △同 角 ▲5三銀 △3三玉 ▲3一龍 △2三玉
まで158手で後手の勝ち

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