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時間差攻撃奏功、NHK杯将棋: 行方尚史八段vs阿久津主税七段

序盤からお互い考え込む異様な雰囲気で始まった相掛の戦い、後手の行方尚史八段が角道を止めたまま横歩を取るという強気の変化に入りました。これは見ていて興味深い変化で十数手目で未知の局面に突入しました。
阿久津主税七段は、昨年度の朝日オープンで念願の初優勝。どちらも好調の実力者同士の白熱した力将棋は久しぶり、飛車角が華々しく飛び交う戦いで一手のミスが致命傷になりかねません。持ち時間の短い将棋でこのような戦いに持ち込む二人はなかなか大したものです。

そして中盤、矢内理絵子さんが指摘した角切りを阿久津七段が敢行。これが後手の意表をついた時間差攻撃(謝った歩を一手貯めて突き出す)でした。考え込む行方八段。しかしながら必然の飛車角交換、直後の▲6五桂が味がよく、攻めと王の退路を広げる一石二鳥の手。

この手が決め手になってしまい先手の阿久津が押し切りました。(詳細手順は、初手7六歩さんブログに)
感想戦では▲1六歩に対して△3五歩と突いておくべきだったか? というコメントでした。また最終盤△4四銀とかわさずに、△5九金から王手王手で迫るのもなかなか面白い変化があり実戦ではどうなったかわからなかったようです。
短手数ながら見ごたえのある戦いで久しぶりに相掛将棋を堪能できました。

[REF]
NHK杯将棋, 行方尚史 vs 泉正樹 (2008年6月15日)
NHK杯将棋, 行方尚史 vs 田村康介 (2008年9月28日) 
NHK杯将棋 広瀬章人5段 VS 阿久津主税6段 (2008年12月14日)
第1回朝日杯将棋オープン戦準決勝 阿久津主税vs行方尚史(2008年2月9日)

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本日のNHK杯は阿久津七段対行方八段の好取組。 意外にも今回が5回目の対戦。 この2人の対戦が増えないと将棋界も面白くなりません。 どんどん対局を増やしてほしいです。 本局は阿久津七段の先手で▲2六歩から相掛かりへ。 しかし、行方八段が早めの△7四歩という変化球... [続きを読む]

受信: 2009年10月18日 (日) 19時39分

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