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虚心渡辺と無心を彷徨った森内、渡辺明竜王の4連勝で幕

竜王戦が、終わってしまいました。
渡辺明竜王の4連勝と、結果としては圧倒していたシリーズでした。

しかも相手は粘り腰の鉄板流森内俊之九段。彼にとってタイトル戦でのこのような一方的な敗戦は初めてではないでしょうか?

当方にとっては、4戦とも最新の将棋界の課題局面そのものや課題局面からの派生変化形という感じで、2人がどんな指しまわしを見せるか大変興味深く観戦できました。

ただインターネットを通じてライブで伝えられてくる印象からは、攻守のバランスのとれた森内九段がなぜか攻め急がされているという感じがありました。
ライバルの羽生善治名人や佐藤康光九段との勝負では考えられないような自身のペースからの逸脱でした。
勿論疑問手というわけではなく一局の将棋なのですが、彼本来の将棋の持ち味とは異なった流れにはまり込んで行ったように感じがしました。

なぜか相手との波長が合わなかったという感じです。

4局目を終わった感想で、「途中から攻めさせられる格好になってしまって…本譜の攻めが無理だとすると、作戦的に良くなかったのかもしれません。シリーズを通して完敗でしたね。チャンスらしいチャンスも作れませんでした。内容的に見て、この結果も仕方ないかなと思っています」と語っています。

この「チャンスらしいチャンスも作れませんでした」というところに若干の焦りを感じるのは私だけでしょうか? チャンスを作って先攻しなければならないという思いがあったのでしょうか?
年齢差のなせるわざか、超一流トップ棋士にして「無心」で戦うことの難しさを思い知らされました。

一方の渡辺竜王、「竜王戦では実力以上のものが出せているかなと思います。いつもと変わらず特別な心構えはありませんでしたが…昨年のようなこともありますので、一生懸命指そうと思いました。竜王戦は毎年目標にしていますので、結果を出せたのは非常に嬉しいですね」とのコメント。
前年の7番勝負での3連敗の夜、いたたまらず一人うら寂しいホームで帰宅の途についた彼をテレビカメラがスクープしていました。
あの孤独な心境から見事復帰した彼にとって、このシリーズは全くの虚心で臨めたのだと思います。

特に印象的だったのが、第三局での△7九銀の妙手。彼の終盤の読みはコンピューター将棋的だと思っていますが、そのコンピューターの終盤力を上回る真骨頂の一手でした。

これでB1級リーグ戦に専念して来期はA級で戦って欲しいものです。そして森内九段は、そんな渡辺竜王を迎え撃って欲しいものです。

今後の将棋界、ますます面白そうです。

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