« コンピューターシステム「あから2010」、清水女流王将との戦いを振り返る | トップページ | カンブリア宮殿「特別版」村上龍×孫正義 »

勝手にふるえてろ by 綿矢りさ

綿矢りさ三年ぶりの小説「勝手にふるえてろ」、出版社が河出書房から文芸春秋に変わったんですね。
なりすまし同窓会の仕掛け、ずる妊娠の申請とおたく系の高齢非処女女子が忘れられない過去の男子と現実言い寄られる男子との間で、揺れ動く心理を描いた軽妙な一作。

とどきますか、とときません。光りかがやく手に入れないものばかり見つめているせいで、すでに手に入れたものたちは足元に転がるたくさんの屍になってライトさえ当たらず、私に踏まれてかかとの形にへこんでいるのです。

同時代の等身大の女の子の恋愛を描く綿矢りさの小説、どの作品も自分とカブる部分が多くて一気に読んじゃうという若い読者が多い。ちょっとしたことで傷つき、持ち直す、他人との距離感、関わり方、揺れ動く心理を話し言葉でつづっていく。

紆余曲折を経て好きというところに踏み込んでいく。

妥協とか同情とか、そんなあきらめの漂う感情とは違う。ふりむくのは、挑戦だ。自分の愛ではなく他人の愛を信じるのは、自分への裏切りではなく、挑戦だ。

愛することを挑戦と言い切る一作、愛することが若い女性にとっての大きな挑戦ともいえる現代性、新しい感覚を紐解いた一作だと思う。

|

« コンピューターシステム「あから2010」、清水女流王将との戦いを振り返る | トップページ | カンブリア宮殿「特別版」村上龍×孫正義 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/196957/50280600

この記事へのトラックバック一覧です: 勝手にふるえてろ by 綿矢りさ:

« コンピューターシステム「あから2010」、清水女流王将との戦いを振り返る | トップページ | カンブリア宮殿「特別版」村上龍×孫正義 »