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2010年12月

カンブリア宮殿「特別版」村上龍×孫正義

今年も一年、過ぎていきますね。

ことし最後の読書、孫正義さんと村上龍さんの今月発刊された「カンブリア宮殿「特別版」村上龍×孫正義」です。
テレビ番組「カンブリア宮殿」での対談の内容を本にしたものです。
今月八日の発売にもかかわらず楽天ブックでは早々の売り切れ、しかたないので近くの書店で探して購入しました。
ソフトバンクの組織、若きアメリカでの日々・起業、情報革命そして日本の若者へと多岐にわたる話題で読み応えがあり、4時間ほどで読み終えました。

印象深い内容の中でひときわ記憶に残ったのが、"新しい事業を始める際、どの程度の勝算があるものですか"、という村上龍氏の質問に対し、

「新規事業に参入するときには、七割以上勝つ確立がないと参入しません。自分の中できっちり計算できたなと思ったら参入します。 」となかなか手堅い答え。

ただ、次につづく言葉が含蓄がありました。

「勝算が九割だといいかというと、そうではない。九割になるまで待つと手遅れになる可能性が高いからです。七割の時点で参入しておかないと、世界中の人たちがどんどん来てしまうからです。」

遅いんですね、それでは。

「どちらかというと日本の大企業は九割まで待つ場合が多いのです。それでいつも後手後手に回っている。九のほうが七よりいいのではないということを理解すべきです。」

rtfとしては、現代における松下幸之助や本田宗一郎と並ぶ実業家として孫正義を挙げます。
彼らが今生きていたら、この爆発的に発展するIT/インターネットの世界に攻め入り果敢に挑戦しているはずです。世界の英知を集めリスクをとって攻める、それを孫正義が行っています。液晶・電子ブック・タブレット・Itune、他社が先行することを許さず七割で攻める松下や本田の戦い方を見たかったという残念な気持ちでいっぱいですが、嘆いていてもしかたない、孫正義に続く実業家がどんどん出てくることを期待して来年を迎えましょう。


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勝手にふるえてろ by 綿矢りさ

綿矢りさ三年ぶりの小説「勝手にふるえてろ」、出版社が河出書房から文芸春秋に変わったんですね。
なりすまし同窓会の仕掛け、ずる妊娠の申請とおたく系の高齢非処女女子が忘れられない過去の男子と現実言い寄られる男子との間で、揺れ動く心理を描いた軽妙な一作。

とどきますか、とときません。光りかがやく手に入れないものばかり見つめているせいで、すでに手に入れたものたちは足元に転がるたくさんの屍になってライトさえ当たらず、私に踏まれてかかとの形にへこんでいるのです。

同時代の等身大の女の子の恋愛を描く綿矢りさの小説、どの作品も自分とカブる部分が多くて一気に読んじゃうという若い読者が多い。ちょっとしたことで傷つき、持ち直す、他人との距離感、関わり方、揺れ動く心理を話し言葉でつづっていく。

紆余曲折を経て好きというところに踏み込んでいく。

妥協とか同情とか、そんなあきらめの漂う感情とは違う。ふりむくのは、挑戦だ。自分の愛ではなく他人の愛を信じるのは、自分への裏切りではなく、挑戦だ。

愛することを挑戦と言い切る一作、愛することが若い女性にとっての大きな挑戦ともいえる現代性、新しい感覚を紐解いた一作だと思う。

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コンピューターシステム「あから2010」、清水女流王将との戦いを振り返る

コンピューター将棋が発達したことによって、将棋というゲームの楽しみ方に厚みが増してきた。嫌がらないので一局の将棋の手順を戻して指しなおしたり、変化手順に入って検討をするというのにも不平を言わず相手をしてくれる。
もちろん今年の大きなトピックは清水女流に勝った戦い、「コンピューター将棋、女流王将に勝つ」という記事がその戦いを振り返っていて楽しい。
「あから2010」というコンピューターシステムは、4つの異なる将棋ソフト「激指」「GPS将棋」「Bonanza」「YSS」が選択した指し手を受け取り、最も多い手を最終的な結論とする“合議制多数決”システムだ。演算にはインテルのXeon 2.80GHzなどを搭載した計166台からなる東京大学のクラスターマシン、およびバックアップ機など計208台のコンピューターを使用、 2007年3月、フリーソフトの「Bonanza」がトッププロである渡辺明竜王を相手に善戦したときと比べても何十倍も強くなっているように思える。
面白いのは、この合議システムで各ソフトが持っている投票権の票数が異なること。当然、持ち票の多いプログラムの指し手が採用されやすくなる。今回の持ち票数は「激指」(バックアップ機稼働分)の2.9票が最多で、合計で9.0票だったようだ。
民主的な合議ではなく実力主義というか株主による株主総会のようなシステム、これも新しい。人間同士だとこの実力主義には不満も出るだろうが、コンピューターだと怒らない。コンピューターの特質に合ったシステムだ。
結果として、人間のプロでは選択肢から外された指し手も投票で選ばれ披露された。
このようなコンピューター新手に対して、プロ棋士の判断を見るのがまた楽しい。将棋というゲームは、局面によっては選択が全く無いという場合もあれば、選択が多くてわからないというケースもある。そのような選択の多い場面でコンピューターが選ぶ手は中々興味深い。タイトル戦などでそのような局面で「あから2010」を解説者に加えてもらったりするのもありかなぁ。
「あから2010」をもっと発展させて、将棋を見る楽しさを広めていってほしいものだ。

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讓一切隨風、時の過ぎゆくままに

コンテンツが世界を駆け巡る時代、あの沢田研二さんの代表曲「時の過ぎゆくままに」が中国語圏の国々の人々を通じて歌い継がれています。「讓一切隨風」、中高年の世代だけではなくこのビデオのような若い世代にも歌われているのを見ると嬉しいものです。カラオケなんかでもよく歌われています。
言語は違っていても、元々の根源は同じ語源なのですから、歌いやすいのでしょうね。
著作権うんぬんの課題はあるとしても、日本の現代の文化が国境を超えて拡大しているのです。
中国語でも歌えるようにトライしましょう。(このビデオでは広東語で歌っていますが)

歌っている閻奕格 (Janice Yan)さんは、ボストン大学の学生、歌手も目指していてコンテストに出場しています。

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【140字レビュー】竜王戦第五局、渡辺竜王が迫力ある終盤を制する

竜王戦第五局、じりじりとした間合いを計った駒組みから雪崩を打ったように一気に激しい終盤へ。名人の攻めの金銀を抑え込んていた役割の▲9七角が絶妙のタイミングで銀と交換され王頭に注がれる。そこからの終盤が見ごたえ十分。名人が優位に立った瞬間もあったが、竜王の懐は広かった。

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