映画・テレビ

駅 STATION -- 高倉健

高倉健さんの映画は、セリフが少ないし気の利いたセリフもないので、よほど気分が盛り上がった時にしか見ないのですが、この寒い冬の風に誘われて見てみました。 
「駅 STATION」、実は八代亜紀さんがラジオ番組に出ていてこの映画を紹介していたのがきっかけ、彼女の名曲・舟歌がメインシーンでたっぷりと使われているんです。
ストーリーとか含蓄とかは横においていい映画、北海道の冬のシーンの美しさ・駅・ディーゼル車、高倉さんと倍賞千恵子さんの表情・語り、そして舟歌が流れる、懐かしい昭和ってこうだったなぁと感慨深い印象が残るだけで十分な映画です。

高倉健さんは、語っています。「主役を好きになれないと演技ができないんです。鳥肌が立つ、それがないとダメなんです。なぁなぁでとっていたりすると心に残るシーンは撮れないんですよね。」
「好きなスタッフに見つめられる時に、ブルッと震えますね」、カメラを向けられ囲まれて自分の演技をさらけ出す、降旗康男監督への信頼とその期待に震える撮影、その深さが映像美と重なり独特の映画世界を築き、時間を30年巻き戻してくれます。


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よど号ハイジャック事件 40年目の真相

1970年3月31日、JAL351便がハイジャックされた通称「よど号事件」。 日本で起こった初めての飛行機乗っ取り事件に、全国民が固唾をのみ、事件発生から 解決までの122時間、テレビにくぎ付けとなった。

今日のテレビ朝日の特番「よど号ハイジャック事件 40年目の真相」は、40年を経ていくつかの真相が明らかになったことも報告されていて、大変興味深い番組となった。

一番衝撃的だったが、燃料補給のため板付空港に到着していたよど号が、離陸を阻止しようとする日本政府を振り切り平壌を目指して飛び立ち、それが途中で目的地を金浦空港に変えて着陸した経緯の謎にKCIAが絡んでいたという事実だった。

2005年に公開された韓国の機密文書では「老獪な石田機長の独断だった」と結論づけ、韓国側の関与を否定しているのが公式見解だったようだが、実際に偽装誘導した管制官が真相を証言していた。

「あの日、私がよど号を金浦空港へ誘導した。KCIA部長から『北朝鮮と偽り、必ず金浦空港へ着陸させよ、これは大統領の意向だ』と命令された。 わずかでも私のコンタクトが遅れていたら、よど号は北朝鮮に奪われていただろう。」  さらに、平壌管制になりすました生々しい交信記録を独自入手。一歩誤れば非武装地帯を横切り、北朝鮮の対空砲の餌食。息詰まる上空1万フィートの攻防戦とは? 「こちらは平壌管制だ。周波数を134.1へ変更せよ。方位270度、左旋回せよ。」  そして、背後で作戦を指示していた元KCIA部長や空軍基地管制団長らが、ついに重い口を開いた。当時の韓国当局トップが明かす40年目の新事実とは? 「共産主義者が乗った飛行機が韓国上空を通過するのは、どうしても許せなかった。 よど号にハイジャック犯だけが乗っていたら韓国上空で撃ち落していただろう!」

石田機長と韓国管制官との生々しい交信とその記録、リアルタイムの二人の機微の効いたやりとりが、よど号の命運を変えていった。
もしよど号がそのまま乗客を乗せて平壌に着いていたら、この昭和の大事件の結果は大きく変わっていったのだろう。

その乗客のひとりに、日野原重明さんがいた。政府高官が身代わりに乗り込み、人質の開放が告げられるころになると犯人たちと人質の間に奇妙な連帯感が芽生えていたという。ストックホルム症候群と言われる状況のようで、肩を組んで「インターナショナル」を歌う犯人達と唱和する人もいたという。

40年を経て、未だに北朝鮮に住んでいる犯人たちの生々しい肉声も興味深く、近年稀に見る重々しいドキュメンタリーだった。

「よど号」事件122時間の真実

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ただ、君を愛してる

ひょんなことから"ただ、君を愛してる"を観てしまいました。なんとも直接的なタイトルと紹介ポスターのキスシーンがいかにもという感じで期待感ゼロ、まぁあのNHK大河ドラマ篤姫で名演技を披露した宮崎あおいの演技だけでも見てみようという軽い気持ちで見始めたのですが、ぐいぐいと引きずり込まれてしまいました。
相手役の玉木宏の演技もなかなか、それと助演女優の黒木メイサも好演、そして宮崎あおいの演技はやはり素晴らしく魅力的な恋愛映画に仕上がっていました。
「好きな人が好きな人を好きになる」「生涯ただ一度のキス、ただ一度の恋」といった名せりふも印象的でした。
脚本も洗練されていてドラマの次の進展を期待させる。この監督と脚本家は若いスター達の魅力をいかんなく引き出すことに成功しています。
主人公たちが写真やウェディング衣装に関係させていることで映像へのこだわりも強く、魅せて楽しませそして泣かす作品に仕上げていますね。

いやぁ、日本の映画界もパワーがありますね。

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「南京!南京!」(City of Life And Death) by 陸川監督

2009041300000035scncnview000旧日本軍による南京虐殺(このように表現しているのは中国側で、日本では南京事件と表現しています)を扱った映画2作が4月下旬に中国で封切られていて、まずまずの興行成績を収めているようです。
rtf自身、2005年に数回南京を旅する機会があり「君は南京を見たか」という記事を書きましたが、それ以来南京という都市は身近に感じていました。訪問前に、知人から「南京では日本人は特に行動に気をつけるように」というような忠告を受けていましたが、実際に訪れてみると他の中国の都市と全く変わらず、日本の軍隊の過去の行動を今でも引きずっているようなことは一切感じませんでした。
ただ、元々の中国の戦争の歴史遺産として、街全体を囲う城壁が張り巡らされており、明るい古都にも流血で刻まれた過去が垣間見れるのでした。

1937年12月、日本軍による南京攻略が始まった。多くの国民党の兵士が壊走してゆく中、投降を拒否して南京に留まった兵士もたくさんおり、南京のあちこちで絶望的かつ悲惨な抵抗が繰り広げられた。その中に国民党の精鋭部隊の一員であった陸剣熊もいた。しかしながら抵抗は失敗に終わり、中国人の血によって長江が染まった後、南京は陥落して死の地と化した……

この作品を描いた陸川監督というのは、現在中国の人気監督のようですが、その忙しい中で四年にも渡ってこの作品を作り上げたとか。この作品への思い入れが強烈で、自身も特にリュウ・イエの役が銃殺されるシーンで涙が出るということです。

中国人のブログでのこの映画の評判ですが、冷静なものが多いようです。記録的に正しいか脚色されているのかという点は、映画個々の監督の思い入れが入っており、色々な観点の見方があって当然ですし、見た観客の感想も様々でよいでしょう。それよりも歴史を埋もれさせずに世代世代で語り継ぐことのほうが大切だと思います。

日本では、同じように南京大虐殺を描いたドイツ人監督による作品、『ジョン・ラーベ』が上映禁止となっているそうです。一部の勢力に気を使ってということのようですが、そんなことでいいのでしょうか? 日本も言論の自由が脅かされてきているとしたら由々しき問題と思います。

南京!南京!
英語題:City of Life And Death
プロデューサー:韓三平
監督:陸川
キャスト:
劉燁  陸剣熊役
高圓圓 姜淑雲役
范偉  唐先生役
中泉英雄 角川役
秦嵐  唐太太役
江一燕 小江役
姚笛 唐小妹役


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「手紙」 東野圭吾原作

2006年11月公開、東野圭吾原作「手紙」。 山田孝之・玉山鉄二・沢尻エリカといった人気出演者に 小田和正の「言葉にできない」という名曲がバックグラウンドで、ヒット狙いの軽い映画かなぁと思っていたのですが、なかなかの良い作品、思わず引き込まれて最後まで見てしまいました。

さすがに三人の演技は素晴らしいですね。今の若い俳優さんは人気と実力を兼ねている人が多いです。以前はプロモーションの巧拙で人気だけで幅を利かせている人も多かったのですが、今は実力も伴っていないと上り詰められませんね。
 

武島剛志は、高校3年生の弟である直貴が安心して大学へ行けるような金が欲しくて、資産家の老婆の家へ家宅侵入・窃盗を行なうが、老婆に見つかり衝動的に殺人を犯してしまう。そのために、直貴は「強盗殺人犯の弟」という目で見られ続け、就職も何もかもできない。
ただ、小さな幸せが欲しいだけなのに、そのつかんだ幸せのカケラを本当の幸せに変えようとするとき、「強盗殺人犯の弟」ということがバレてしまうのだった。その度に彼の想いは揺れる。公表、隠蔽、絶縁、寂寥、哀憐と…。

なかなか難しい演技を要求された映画でした。

「言葉にできない」の後に、最後を飾るのが高橋瞳の「コ・モ・レ・ビ」でした。

悲壮な運命にも木洩れ日のような希望を見出す映画でした。

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You've got mail

ユー・ガット・メールを見ました。1998年の映画なのでもう10年以上前なのですね。
この10年でインターネットは、すごい勢いで一般化しましたが、その先駆けともなった作品ですね。
映画を見た人が実際のロケ現場を訪ねて写真をアップしています。
  -Cafe Lalo
  -GRAY'S PAPAYA
心に残る映画のロケ地は、今でも観光スポットにもなっているんですね。

この映画の楽しいところは色々ありますが、会話がユーモアとセンスに溢れているのがいいですね。
例えば、"スターバックスでは決断力を求められる。ラテにするのかカプチーノかはたまたフラペチーノか、ショートかトールかグランデか...人々は自分の決断力を確かめにスターバックスに入る...?"

メグ・ライアン、トム・ハンクス二人の演技がすばらしくほのぼのとしたラブストーリーを楽しめました。
 

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GOEMON: Beyond Hollywood、最先端邦画はすごいことになっている

GOEMON、予備知識ゼロで見に行きましたが、素晴らしい映画で、全世界の映画シーンの最先端を走っている作品と思いました。
最近、レッドクリフやワルキューレ(トム・クルーズ)を観ていますが、映像美・自由な発想・エンターテインメント性で圧倒しています。映像の求心力がすさまじいため余計な事を考える暇を与えず,純粋に「虚構の世界」に浸らせてくれます。

他の作品のパロディも織り交ぜつつ、シェイクスピア風の格調をも融合させ、あれっドラゴンボール?と思わせるシーンの落差まであって、監督の「思いを表現するのであればなんでもあり」といった強い信念が全編にわたって押し寄せてくるのでした。豪華絢爛、総天然色、ハイパーカラー、リアル劇画CG調と、美しさ・リアリティ・虚構の世界を表現するあらゆる技術を総動員させています。

ストーリーにも、意外性があり、ひとつの独自な時代考証というか、この安土桃山時代という時代はいったいどんな時代だったのかということを、GOEMONという人物を通して見つめているといえます。
映画のパンフレットでのインタビューに答えて、紀里谷和明監督は、「下克上の戦国時代を経て信長のような男が出てくる。能力が無い者は消えていくだけ。何でもありの世界だから外国文化も受け入れるし、思想も受け入れる。全てがオープンソース。何にも縛られない自由な精神があったと思うんです。ならば僕たちも自由な精神で、このプロジェクトに取り組まなければならない。時代考証的にあそこが違うここが違うというレベルで映画を作るとものすごく窮屈で、クリエイティブなものではかくなってしまいます。」
 その基盤にたって、まさに紀里谷ワールド満開、完全に時代劇という枠を破壊しつくして、その魅力的な登場人物とストーリーを題材に、いままでにないファンタジックワールドを観客に見せつけます。

日本におけるゲーム・アニメそして原宿に代表されるファッションの先端性から、いつかは映画という最高峰の娯楽でも日本が世界をリードする日が来るのではないかと思っていましたが、もうすでにこの作品はハリウッド作品をあっさりと後ろに置いていってしまっています。

日本のIT技術、さらには黒澤明らが示した日本映画の芸術性・奥行きといったものにも支えられて、全ての成果が集結した作品で、それらを計算しつくしてちりばめ構築した美世界が、なんとも言えず魅力的でした。
(ところでこの紀里谷和明監督、あのシンガーソングライターである宇多田ヒカルさんの元夫なんですね)

それぞれの出演者たちの演技も素晴らしく、この紀里谷ワールドを際立たせています。

これからは、間違いなく日本の映画が世界の注目を集めていくことになるでしょう。

[Ref]
初日舞台挨拶レポート(等)最新ニュース
●監督 紀里谷和明  出演 江口洋介、大沢たかお、広末涼子、奥田瑛ニ、寺島進、伊武雅刀、ゴリ、要潤、中村橋之介、平幹ニ朗、ほか

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博多織デベロップメントカレッジ-福岡人間交差点

NHKの番組「福岡人間交差点」で博多織デベロップメントカレッジの紹介がありました。
博多織...あまりなじみがなかったのですが、帯が紹介されそのきりりと締まった美しさが印象的です。
しかしながら事業としては困難なものとなってしまっていて、多くの事業主・職人が離れていったのでした。
そんな状況を打開しようと、組合が興したのが博多織デベロップメントカレッジ。
「若い人の感性でなんとか博多織を復活させたい」と校長は言います。
授業料年間100万円、卒業しても就職の保証はない、そんな学校に応募者はあるのだろうかとの周囲の不安とは裏腹にたくさんの若者が入学したのでした。

二人の生徒に焦点をあてて紹介していました。
一人は食品研究の職を辞めて入学してきたOL。「安定していたし辞める理由もなかった」のですがその仕事は「食べていく上での職業」であり「博多織は生きていくうえでの精神のささえ」と思い博多織の勉強に入った。
「漠然としていますけど、生きている限りはやっていけるんじゃないかな」と自分オリジナルのデザインの博多織を編みながら目を輝かせていました。

もう一人は、織物会社の六代目の社長を辞めて入学してきた青年。64才の父に社長を返上して一から勉強することを決意。
会社経営では、金融業での経験から会社を変革しようとしたのですが、従業員から総スカンをくって「織物を知らなすぎる」ことに気づく。
初めて自分で帯を織ってみて、「博多織の何が好き?」と問われても答えられない青年。
父は、「跡継ぎをしてくれると言うのは嬉しいけど、その前に織物が好きか嫌いか?」を問いたいといいます。
一本の帯を手作業で織るのに一点のミスも許されない作業、体にしみこませないと朝から晩まで織れないという厳しさ。
青年は、この授業を通じ「織り子さんたちが貴重な財産」ということに気づくのです。

博多織デベロップメントカレッジ、仕事とは何かと自問する若者のエネルギー・価値観と伝統的な芸術が融合して新しい可能性を追い続けています。

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Returner、金城武と鈴木杏

D0023903 レッド・クリフでの金城武の素晴らしい演技に感銘を受けて、興味を持ち過去の出演作を調べてみました。
アト・ランダムにチェックしてみようと思って観たのが、「リターナー」(2002年)という作品。
そこでは、ブラック・マネーを強奪しそれを依頼者に戻す裏稼業リターナーという役柄。やくざ映画なのかなぁと予備知識ゼロで観ていると、その銃撃場に突然2084年の未来から来たという少女が降り立ちます。ミリ(鈴木杏)というその少女は、人類を絶滅寸前に追い込むことになる宇宙生物・ダグラの最初の一匹を一緒に倒して欲しいとミヤモトに頼みこむ。

 ミリのそんな言葉や背景を信じられないミヤミトが、ついに彼女を信じていく過程を違和感無く演じきるというところが見せ場だったでしょうか?
なんともやくざ映画とETまがいのSFがごった煮になった痛快な作品。真剣に見るような映画では無いですけれど、見ていて爽やかでしたね。

Suzuki_prof
鈴木杏さんという女優さんも初めて観ましたが、なかなか上手ですね。うまく演じないと軽い映画になってしまう役どころだと思いましたが、勇敢で可愛らしく印象的な雰囲気を漂わせていました。

役目を果たして二人が別れるシーンにしっとりとした儚い友情・愛情が、かもし出されていました。
 
うーん、金城さんは色んな役柄をこなしていけそうですね。中国語も素晴らしいし、アジア映画がこれからの潮流とするならば、その中心的なスターになるかも知れませんね。

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篤姫の勢いで、「天地人」も行きましょか?

Tenchi03昨年篤姫を完全視聴した勢いで、今回の天地人、先週初回の本放送は京都から帰宅の途上だったため観る事が出来なかったのですが、今日の再放送はしっかりと観る事ができました。
午前中、仕事の残務がありましたので、会社に行ってしまったのですが、うまいこと口実をつけて脱出、その甲斐がありました。うん、今回もかなり期待が持てそうで、もしかしたら篤姫に続き二年連続で完全視聴の可能性も。
というのも、歴史物がちょっとしたマイブーム、なにしろお正月に放送された10時間ぶっ続け放送のテレビ東京開局45周年記念「寧々~おんな太閤記」をほとんど全部観てしまいました。仲間由紀恵の寧々や淀の方の吹石一恵の演技も良かったですが、一番激しく動いた時代をダイジェスト的に総覧できたのも良かったです。

今回の天地人も、豊臣秀吉や寧々といった中央に居た人物たちとは対極に、地方にいた人物に焦点をあてた作品となりますので、おんな太閤記を観ていたことがとても参考になりそうです。

北陸や東北の豊かな自然、そこで育まれた歴史的逸材を若い出演者やベテランがどのように演じていくのか楽しみです。第一回目の男の子の演技は、素晴らしかったですね。

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