先月ヨーロッパに旅行した機上で,久しぶりにゆっくりと映画を鑑賞しました。
作品は「人間の証明」という1970年代の日本映画。知っている人は知っていると思いますが,この作品の原作は大ベストセラーとなった森村誠一による長編推理小説です。調べてみて分かったのですがこの小説,2005年現在で単行本・各社文庫本計で770万部を売ったというお化け作品です。
森村さんは,自身のHPでこの作品について下記のように綴っています。
角川春樹氏と西条八十の詩「帽子」(→全文) に出会わなかったならば、この作品は生まれなかったであろう。
角川氏が当時創刊した「野性時代」の執筆依頼に見えられたとき、私の目を睨むように見て、「作家の証明書になるような作品を書いてもらいたい」と言った。だが、締め切り日が迫ってきても書けない。そのとき、胸の奥でゆらりと動いたのが、学生時代訪れた霧積温泉の弁当の包み紙に刷られていた「帽子」の詩であった。
「母さん、ぼくのあの帽子、どうしたでしょうね」で始まる母と子の愛情を詠った詩を初めて読んでから二十数年しておもいだしたとき、『人間の証明』のテーマは決まった。
松田優作, ジョー山中そして岡田茉莉子という今でもすごい出演者たち。いやもっといる,鶴田浩二、三船敏郎そして当時のアメリカの人気俳優ジョージ・ケネディも出演という豪華キャストでした。
それにも増してやはりストーリーの面白さ・その背景に広がる奥深さ・歴史との関係といった奥深さがこの作品の核心部分です。戦争と戦後,人生の成功と過去の貧困時代,それと戦勝国と敗戦国,人種差別...さまざまな要素が絡みつきます。
それを巧みなキャストが迫真の演技で演じるのですから素晴らしい作品になったわけです。
目の肥えた今の映画ファンから見ても楽しめる作品だと思います。
そのためいままで1978年,1993年,2001年そして2004年と4回もテレビドラマ版でリバイバル放映されているんですね。
でもやっぱりオリジナル映画がピカ一ではないでしょうか。あの松田優作のクールな演技,ユーモアと哀愁を帯びたジョー中山そして岡田茉莉子の最後の歓喜と悲哀の入り混じった受賞演説...
このキャストでしか表せない異様な雰囲気に満ちた歴史的な作品だと再認識させられました。
サブタイトル
1. 遠い橋・ある異邦人の死
2. 謹慎
3. 母さんに捧げる詩
4. 霧積温泉の変死者
5. 母の秘密を知る女
6. 輝ける青春の記憶
7. 南部アメリカ編(01)
8. 米国編(2)犯人の顔
9. 郡恭子最後の一日
10. 人間たちの明日

西条八十と家族

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